2010.12.10
医者にかかる10箇条+1
12月9日(木)の朝日新聞に、「患者力⑯ 対話力 心通う診療へ」という特集がありました。
「医師が話を聞いてくれない」ということを患者さんから聞くことがあります。これには私も耳が痛く、その都度自分を律しております。最近の医学生の授業には模擬患者などによって対話力を身につける授業もあるそうですが、私の頃にはもちろんなく、ずいぶんと私も患者さんを傷つけてきたと思います。医師になって16年、ようやく患者さんの話を聞くことができるようになったかな?と思う部分も出てきましたが、様々な個性、疾患をお持ちの方が来られますので、すべての患者さんにうまく対応できるかというとそうでもなく、診察の後、自分の不甲斐なさにいらだちを覚えることもしばしばで、そういうときはしばらく落ち込みます。
この特集では、医師だけの問題ではなく、患者さんの側も対話力をつけましょうと書かれており、下記のような「新・医者にかかる10箇条※」が紹介されています(※NPO法人「ささえあい医療人権センターCOML(コムル)」による)。
①伝えたいことはメモして準備
②対話の始まりはあいさつから → 改めて心がけたいと思います
③よりよい関係づくりはあなたにも責任が → 恐い患者さんや態度の悪い患者さんは私たちも恐いし気分悪いです
④自覚症状と病歴はあなたの伝える大切な情報
⑤これからの見通しを聞きましょう
⑥その後の変化も伝える努力を → 治らないからとすぐ医者をかえるのではなく、治らないとか悪化したとか伝えて頂き、一緒にやっていくことが大切と思います
⑦大事なことはメモをとって確認
⑧納得できないときは何度でも質問を
⑨医療にも不確実なことや限界がある
⑩治療方法を決めるのはあなたです → こう言うと「素人だからわからない」と匙を投げる方がおられますが、難しいのはよくわかりますので、一緒に考えていきましょう
これに加えてよく思うのは、医者をかえるときは自分が飲んでいた薬をわかるようにしてきて、ということです。治らないから医者をかえる、というのはよくわかりますが、「こういう治療をしてきたけど治らない」というのはとても大切な情報です(本当はこれで治らなければ次はこうしようと医者は考えているんですけどね)。薬の手帳や飲んだ後の空包装でもよいのでわかるようにして下さい。