2012.02.20
第13回 山口中央呼吸ケア研究会
2月18日(土)に開催された「山口中央呼吸ケア研究会」になかのシンポジウム「呼吸器疾患患者における医療連携の現状と課題について」に参加させて頂きました。
私は周南地域の呼吸器疾患に関する医療連携の現状をご報告させて頂きますとともに、当クリニックが事務局となっております在宅酸素患者会「周南HOTの会」についてご紹介させて頂きました。
山口県には消化器専門医と循環器専門医(私も循環器専門医)はたくさんいますが、呼吸器専門医は大変少ない状況です。これは全国ワースト1の状況だそうで、周南市も同様の状況です。
でも、呼吸器疾患をかかえる患者さんは数多くいらっしゃいます。呼吸器疾患の症状の代表である「咳」は、消化器疾患や循環器疾患より多いのが現状です。
私は新南陽市民病院在職中に、呼吸器疾患をかかえる患者さんを多く診させて頂きました。呼吸不全や心不全で在宅酸素療法をしないといけない患者さんが多くなるにつれ、「専門医でなくても患者さんと一緒に勉強したり、旅行をしたり、何かを共有し寄り添うことはできるのではないか?」と思い、患者会をはじめ現在に至っています。
在宅酸素の患者会も山口県内では、下関中央病院にあるぐらいです(現在、山口宇部医療センターや山口日赤病院でも準備が進められているようです)。一般的な患者会が大きな病院を母体とし、そこに通院される方で構成されますが、当患者会はどこの病院に通院しておられても参加できるのが特徴です。手伝ってくれるボランティアスタッフも施設を越え、業種を超えて様々です。
そういう意味では、呼吸器専門医の先生が少なく大変な地域ではありますが、呼吸器疾患診療の根っこの部分では、多業種で力を合わせて、ちょっとだけお役に立てているのではないかと思っております。土の中からではありますが、我々の活動を通して、周南地域の呼吸器疾患のネットワーク構築に少しでも貢献できればと思っております。
と、まあこんな内容の発表をさせて頂いたわけですが、最初はここまでは考えていなかったのです。とりあえず現状報告と患者会の紹介という程度だったのですが、特別講演の前橋赤十字病院、堀江健夫先生の「地域は一つのホスピタル -COPDにおける地域医療連携の実践-」というご講演の中で、先生が多業種と連携し、色々な活動を活発に取り組まれているお話をお聞きするにつけ、みんなで力をあわせればちょっとずつでも何か役に立てることができるのではないか?呼吸器専門医の先生が少ないと嘆いても仕方ないし、もっと患者さんと近いところでの活動やネットワークが充実できれば、専門医の先生がいない地域でも、患者さんにとっては利益になるのではないか?と思いました。
懇親会では、堀江先生に温かいお言葉、励ましのお言葉を頂きました。また、山口日赤病院の國近先生や山口宇部医療センターの尾形先生とも患者会のコラボレーションをしようと話を頂きました。
大変、勇気や元気を頂いた研究会となりました。
座長や世話役をして下さった、上岡先生、松田先生、小畑先生ありがとうございました。