元気スイッチ

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院長日記

2012.03.21

第76回日本循環器学会学術集会

すっかり春めいてきましたね。今日は朝から目がかゆく、くしゃみがでます。

春と言えば学会です。とくに日本循環器学会という循環器の世界では一番大きい学会が3月に開催されます(この後、日本内科学会、日本呼吸器学会と私が関係する主要学会が春に集中しています)。

昨年は大震災で中止となり、改めて開催されたのが8月の平日だったので出席できませんでした。

出席できないだけならいいのですが、我々は「単位」ってのをとらないと専門医の資格が更新できませんので、ある意味死活問題となります。

というわけで今回は福岡開催ということもあり行って参りました。

土曜日の診療が終わってからとなりますので、聞きたい講演が聞けないのが開業医の辛いところではあります。

福岡について早速会場入りし、「多職種協働による心血管リハビリテーション」というシンポジウムを聴講しました。

今回の演題をみてもわかるように、「多職種」「協働」というのは最近のキーワードです。

具体的に言うと、昔は心臓手術をした方(とくに高齢者)に当然ながら医師と看護師が関わるだけでしたが、これだと手術後の呼吸状態が改善しにくかったり、飲みこみが悪くなって肺炎をおこしたり、足腰が弱って歩けなくなったりして入院期間が長くなったりしていました。昔は後手後手でやっていましたが、最近では最初から(つまり術後すぐから)、リハビリや栄養サポートチームが関わって術後の円滑な回復に努めるようになりました。また、ソーシャルワーカーなども関わって退院後の調整(介護申請など)なども行います。これら「多職種」が垣根なく「協働」して患者さんの治療に関わっていくのが最近の治療となっています。

私の周りでも、訪問看護、リハビリ、ソーシャルワーカー、ケアマネージャーなどと患者さんの治療や療養の援助に当たることもしばしばで、医師だけでは患者さんの治療はできなくなっています。

近々「筋委縮性側索硬化症(ALS)」の治療ネットワークを考える会が開かれますが、これも行政の方、医師、訪問看護等の多職種が集まる予定です。

多職種で密なネットワークを張り巡らし、患者さんに安心して飛び込んでもらえる柔らかくて頑丈な“ネット”を作っていかなければと思う今日この頃です。