2013.11.20
難病シンポジウムにシンポジストとして参加しました
「神経難病を抱える患者への支援」をテーマに開催された難病シンポジウムが、11月17日、周南総合庁舎で開催されました(山口県難病相談・支援センター事業)。
私は「在宅医の立場から」ということで発言させて頂きました。
現在、ALS(筋萎縮性側索硬化症)やMSA(多系統委縮症)、パーキンソン病といった、いわゆる神経難病を抱える方を数名担当させて頂いております。
病気によって特徴はありますが、病状の進行に伴い歩けなくなり(歩行障害)、食べ物が飲み込みにくくなり(嚥下障害)、息がしにくく(呼吸障害)なります。そのため嚥下障害に対しては胃瘻をどうするか?呼吸障害に対しては人工呼吸をどうするか?といった大変辛い選択を迫られます。
胃瘻も人工呼吸も希望される場合はいいのですが、希望されない場合は、「死」を意味しますから本当に辛く、我々にとっても緊張する決断となります。
今まではそういう辛い問題は我々もついつい避けがちでした。
2年前ぐらいから周南市の健康増進課の方々、訪問看護さん、私を含む在宅医3名の難病ネットワーク部会の中で『緊急時連絡カード』というのを作成したのですが、これを患者さん、ご家族と多職種関わって記入していく過程で、上記のような辛い選択のお手伝い、支え・寄り添いができることがわかりました。
この取り組み直後に、人工呼吸器装着を希望されず亡くなられたALS患者さんがおられました。
私達の在宅チームにとっても大変辛い経験でしたが、これらの取り組みによってチームの団結力が高まり、みんな(多職種)で患者さんと奥様を支え、寄り添えたように思います(自己満足かもしれませんが)。
胃瘻や人工呼吸をつけるつけないだけではなく、その前後の人生も本当に大変です。今までは各職種はもちろん関わっているわけですが、全体が連携してサポートできている訳ではなく、患者さんやご家族にとってはずいぶん心細い思いをされたのではないかと思います。
上記のような取り組みを進める中で、もっと連携を強化して、患者さんやご家族にとって安心して飛び込める“ネット”ワークを作っていきたいと思っています。