2015.06.29
第6回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会
つくば市で開催された日本プライマリケア連合学会の学術大会に行ってきました。
まずは、朝イチで『FPNs企画第1弾~診療所看護がおもしろい!家庭医療から看護をみる~』に参加しました。
※「FPNs」=Family Practice Nurse
多職種協働の流れや、かかりつけ医の役割強化の流れの中で、診療所の看護師さんの役割がクローズアップされきています。“診療所ナース”という言葉、カテゴリーも出てきました。ちょっと前までの診療所で働く看護師は、医師の診療介助や検査業務などが主たる職務で、病棟や訪問看護で働く看護師を“一線”と言うと、ずいぶん“下”なイメージでした。また、「病棟看護師」「訪問看護師」のような用語(単語)がなかったので、その役割などが明記された教科書のようなものもありませんでした。
しかし、診療所ナースの役割は本当に大きくなってきているのではないかと思います。当院でも開院当初は患者さんも少なかったので、多くを私がしていましたが、今は、まず看護師が十分問診をし、疾患・病状を推測し、トリアージをする。そして問診内容や血圧などを電子カルテに記入したりと、看護師の協力なくては診療できなくなっています。また、通院中の患者さんが入院したり、訪問看護の導入が始まった際には、病棟看護師や訪問看護師と連携する必要もあります。また、患者さんのことで、ケアマネなどが来たときには、そちらとも連携する必要があります。看護師というのは、医師よりも患者さんの普段の顔や家族背景などをよく知っていることが多いので、医師のように診察室の中だけの情報だけでなく、地域をも繋ぐ役割を担っていると言えます。
そういう意味で今後、“診療所ナース”の役割がもっと重要になり、ひとつのカテゴリーとして確立されるはずですから、そうすると診療所で働くナースも自分たちの仕事にもっと自信が持てるのではないかと思います。
今回のセミナーでは働く地域がバラバラな診療所で働く看護師さんが始めた『FPNs』という活動を通して、現状や今後について集まった皆さんでディスカッションを行いました。
当院の看護師さんたちにも是非、自信と自覚を持って、もっと地域の皆さんのお役に立てるよう、ともに頑張ろうと思いました。
そのあとはシンポジウム『生命の危機に直面した患者・家族と“いのちの終わり”に関する話し合いを始める』に参加しました。
私はがん以外の疾患での人生の終焉に、病棟、在宅、外来で様々な形で関わることが本当に多くあります。そこで、どのように自分が関わるべきか、自分がどう関わったら、ご本人が悔いなく人生の終焉を過ごせるか、ご家族が満足いくサポートができるか…色々悩んできました。
そのヒントが沢山あるシンポジウムでした。
大変勉強になりましたし、少しでもよい関わりができるようになれば私も人間的にもっと成長できるように思いました。
入り口の廊下にズラ~と並んだ各県、病院、大学の家庭医養成プログラムの案内!