2020.03.12
心温まり、鎮まる高山義浩先生の記事です
沖縄県立中部病院の高山義浩先生の3月11日のFaceBook記事です。高山先生は東日本大震災の災害支援にも関わっておられたんですね。さきほど紹介した佐々木淳先生の記事もそうですが、不安な心がすっと鎮まる、そんな記事です。一人一人ができることを、思いやりの心を持って、積み重ねていくこと。日本にはお二人のような素晴らしいリーダーがいます。みんなで繋がり、乗り越えましょう! 以下、本文です。
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東日本大震災から、4週間が経過したころのことでした(やっぱり、このことを振り返らずに今日を終われません)。
私は石巻を中心にして活動していたのですが、いまだ道路は寸断していて、どこへ移動するのも道を探しながらで大変でした。その日は、抜け道を探しながら農道へと迷い込んでいました。仕方なくそのまま走らせていると、小学生低学年ほどの兄弟が、路端でこちらに向かって大きく手を振っていました。
何事かとスピードを落とすと、兄が地面を何度も指差しています。その先をみると、なんと路面が大きく陥没していたのですね。窓を開けて「ありがとう」と言って、大きくハンドルをきって陥没を避けました。バックミラーには、注意を促すべく次の車を待つ兄弟の姿が映っていました。朝早くから、目頭を熱くさせられる経験でした。
災害支援に入るたびに思うことですが、「支え合い」というソーシャル・キャピタルが細やかに動き出しています。多くの人々が支えあうために、何かできることはないかと探し、行動にうつしていました。あの少年たちもまた、誰かの役に立ちたいという気持ちに突き動かされ、路上で手を振り続けていたのでしょう。
今回の新型コロナウイルスの騒動もまた、すでに反省すべき点が多々あります。検証して糧にしてゆきましょう。ただ、それぞれが出来ることを探し、小さな力を合わせていることは、短期的な結果がどのようであれ、きっと私たち社会を成長させていると信じています。