2020.04.29
「本当の幸せは、身近なところにある」_小澤竹俊先生のFaceBook記事より
3月、4月、そしてGWと予定していたことがすべて中止となりました。
GWは◯◯に行く予定だったのに…出かけるに出かけられない…と不幸のどん底のように思いがちです。
昔、昔、どこにも出かけられない、心から笑えない、そんな時期が僕にもありました。浪人時代です。
約一年間、自宅と予備校の行き来だけ。あとはほとんど家に籠もっていました。先の見えない不安に怯え、社会的な位置がない恥ずかしさを抱え、一年間、ひたすら勉強していました。
だから、あの頃思い出せば今なんて屁でもない(笑)。
明けない夜はない。そして、身近にはたくさんの幸せがあり、改めてそれにも気づきました。
大変尊敬する小澤竹俊先生のFaceBook記事のご紹介です。YouTube動画も是非。
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<本当の幸せは、身近なところにある>
昨日はFB投稿できませんでした。というのも愛犬が低血糖発作で意識低下、けいれん発作などから、一時期危篤状態となりました(もともと持病がありまして…)。ということで、一日、お休みを頂きました。深夜帯ではありましたが、ブドウ糖をシリンジで何度が飲ませ、何とか事なきを得ましたが、これからも何があるかわからない日が続きます。
普段の何気ないあたりまえの生活が、一変することがあります。昨日の愛犬の出来事もそうです。そして、現在起きているコロナウイルスの騒動もその1つです。
つい4ヶ月前の2020年正月に、まさか今の社会を予想していた人はいたでしょうか?何もなければ、今頃は聖火リレーが全国を回り、オリンピック・パラリンピックのニュースが日本から世界に発信されていたはずです。
そして、このGWも家族や友人と旅行にでかける準備をされていた人はたくさんいたはずです。しかし、世の中の全ては、コロナウイルス感染拡大のため、一変していまいました。
あたりまえのことが、あたりまえではなくなりました。すると、今まで見ていた風景が一変します。
何気ないことが、実は幸せです。
自由に外出できること
自由に友人に会うこと
自由に学校に行き、学べること
自由に仕事に行くことができること
自由に遊ぶことができること
本当の幸せは、何かを失おうとする時、見えてきます。
このようなエピソードは、実は昔から語り継がれてきました。その代表作の1つとして、私は、モーリス・メーテルリンクの童話「青い鳥」を紹介します。
貧しい二人の子ども、兄のチルチルと妹のミチルは、クリスマスの前夜に魔法使いのおばあさんから青い鳥を見つけてほしいと依頼されます。そして、二人は、魔法使いのおばあさんからもらった、いろいろなものが見えるダイアモンドを武器に、青い鳥を探す旅に出ます。
思い出の国、夜の部屋、幸福の楽園、未来の国などを旅して回ります。それぞれの国での冒険は、非常に示唆に富むエピソードです。
思い出の国では、亡くなったおじいさん、おばあさん、そして兄弟達に再会します。祈ることは、思い出すこと。思い出すことは、心の中で生きていること。まるでグリーフケアに通じる大切なエッセンスが描かれています。しかし、二人が見つけた青い鳥は、黒くなってしまいました。
夜の部屋では、青い鳥のいる部屋の鍵を渡したくない思いから、夜は、幽霊、病気、戦争、闇と恐怖という部屋があり、鍵をあけると悪いことが起きても、私のせいではないと、二人をそそのかします。
まるで、どちらの選択肢を選んでも悪いことが起きることが想定され、決める人が後悔するジレンマを覚える意思決定支援のエピソードにも通じる内容です。
二人は、ついに青い鳥を手に入れますが、その鳥は、お日さまの光の中では生きられず死んでしまいます。
もっとも印象的なエピソードは幸福の楽園です。
人間の目で見える、この世でいちばん太った幸福たちは、金持ちの幸福、ものを所有する幸福、満足したみえっぱりの幸福、のどがかわいていなくても飲む幸福、おなかがすいていなくても食べる幸福、なにも知らない幸福、なにもわからない幸福たちが登場します。そして、毎日のように宴を広げて、楽しみ、飲み食いしています。
ところが、二人は、魔法のダイアモンドを回すと、大饗宴のテーブルは、あとかたもなく消えてなくなります。すると、太った幸福たちの衣装や壁飾りは、すべて剥がれ落ちます。すると、自分たちが実際には、みにくく、なさけない姿であることに気づきます。身を隠すために逃げようとしますが、光り輝く庭園には、もはや隠れる木陰はありませんでした。そして不幸たちが住む洞くつの幕をくぐろうとします。
同じ場所にいるのに、以前と違ったように見えるのは、物事のほんとうの姿が見えているからですよと、指南役の光は、二人に伝えます。
最後に、二人は夢から覚めて自分のみすぼらしい部屋で目が覚めます。すると、二人が飼っていた鳩が、実は青い鳥であり、何気ない生活1つ1つが幸せであることに気づいて行きます。
そして、青い鳥は、歩けなかった女の子が歩けるようになる奇跡を起こす、幸せを呼ぶ力を持つことに気づきます。しかし、その鳥は、逃げていってしまうのです。
本当の幸せとは何でしょう。
本当の幸せとは、私たちの生活の中に潜んでいます。あたりまえのこと、何気ない1つ1つが、実は大いなる幸せです。
しかし、日常に埋没していると、その身近な幸せには気づかないまま時が流れていきます。やがて、何かを失おうとするとき、実は、本当の幸せが見えてきます。
自由が奪われる苦しみは、いらだち、怒り、絶望という心の影を深くします。その中にあって、自らの日常をふりかえる中で、本当の幸せが、小さな灯火として、照らす可能性を探していきたいと想います。
音楽の代わりに、この動画を紹介します。4年前にMEDプレゼンで話をさせて頂きました。“今日が人生最後の日だと思って生きなさい”は、アスコムから出版した本のタイトルです。
https://www.youtube.com/watch?v=zVtIRBa2pdY
今日も良い1日でありますように。