2024.12.31
2024年も大変お世話になりました!
まずは長い冬休みをいただいております。皆様には大変ご迷惑をおかけします。
さて、今年1年を振り返ってみたいと思います。
大きなこととしては、
1)医師となり30年を迎えた
2)徳山医師会副会長を離任した
3)超忙しかった
です。
まず1)医師30周年
30年の節目と2)もあったので、何か自分にご褒美もしくは節目に相応しい記念事でもしようと思いました。
レコードも聴きたくなり、よいオーディオセットでもと思い、お店にも行ってみましたが、安くまとめたくないし、さりとて、上を見ればキリがないし…で、結局、エイやっ!と気持ち上がらず買わずじまい(涙)記念のポートレートを写真家の同級生にお願いしようか?と思ったけど、連絡がうまくいかず実現せず…(涙)
2)徳山医師会副会長離任
会長、副会長には大変申し訳なく思いましたが、10年頑張ったし、NPO法人活動に力を入れたく辞させて頂きました。
が、時間を持て余すことはなく、クリニックの診療が超ぉ〜忙しくて忙しくて、副会長辞めてなかったら、ほんと過労死してたかもというレベル。
3)超多忙
今までも忙しくさせて頂いていましたが、今年は全く違う…なんで?と考えました。
①開業して17年。その間に旧新南陽ではクリニックが10軒もなくなっていました。新規開業は2件(内科と整形)、継承は2件(外科と皮膚科)。
②今まで旧新南陽の内科を支えてた先生方は、私の10歳ぐらい上なので、ご病気もされたり、昔ほどの元気がなくなっている?
③勤務医の「働き方改革」で、勤務医は守られ、超過労働しないようさせられてるからか?「あとはお近くの診療所へ」と回されることがやたらと多くなった。
信頼頂いている証拠?、期待に応えたいとも思いますが、キャパシティも考えないとヤバいなと思うようになりました。
④「働き方改革」の影響か?病院が救急車を受けず、かかりつけではない方の、しかも、非専門領域系の症状を訴える、救急患者さんを当院が受けることが何件かあった。
そのとき思いました。ようや気づきました。
旧新南陽は、医療崩壊レベルに来ているんだということ。
救急車を断ることは簡単だけど、患者さんも救急隊も困るので、できること、できるうちはやるけれど、行政には知っておいて欲しい、理解してもらいたいと思いました。
クリニックが救急車を受けても、診療報酬的にインセンティブないのです(頑張り損)。
救急車で運ばれてくる方なので、軽症ではありません。検査・診断に手を、時間をとられ、通常の外来診療に支障を来たします。場合によっては、救急車に同乗して転送しないといけないこともあります。休憩時間まで処置が長引けば、スタッフの昼休みも潰れます。
そもそも診療所のスタッフは、救急対応に特化していない、慣れていないので、結構なストレスです。そんなスタッフと対応する医師も大変なんです。
地域の事情もあるので、頑張りますが、行政には理解して欲しい。少しでいいから支援(診療所が救急車を受け入れたら、少しでもお金を出すなど)して欲しい。
そうすれば、受け入れてくれる診療所も増えるかもしれない。
そんなこと考えました。
さて、自院の多忙の原因は、患者さんの数が多いこと。
病院がこれだけなくなっている、総合病院が外来患者を持たなくなっているから当然です。
(落ち着いていたら、かかりつけ医(開業医)を持とう!という流れば正しいが、肝心な開業医が減っている。開業医は暇と思われている)
開業医だから、患者さんが来てなんぼで、うれしい悲鳴ではありますが、今年はそんな悠長なレベルではありませんでした。
よい医療サービスを提供すれば、患者さんは増えます。
患者さんが増えれば、一人一人に割ける診療時間が短くなり、サービスの質が下がり、患者さんの不満も増えます。
できるだけ無駄を省こうと、ICT導入(デジタル化)にも務めていますが、まだまだ発展途上の部分も多く、功を奏していないところも多いです。
スタッフも増やして効率化も図りますが、電話対応(コロナ禍以降、これがすごく時間を取られる)、発熱外来、ワクチン接種、健診(検診)、そして通常外来。
それぞれすごく手を、時間を取ります。
ここに調子が悪くなって来院された患者さんで、紹介状を書いて、総合病院に送らないといけない方が来たり、救急車が来たら、もう外来は回りません。
そして、一番の追い打ちは、今年の診療報酬改定でしょうか?
高血圧、脂質異常症、糖尿病が「特定疾患管理料」から「生活習慣病管理料」に変わり、書面で、現状確認、治療方針確認・説明、承諾のサインをもらわないといけなくなりました。こんな面倒なことしても、時間と大量の紙代(このエコの時代に)を使っても、今までの診療報酬よりは低いという・・・
こういうとき厚労省は「面倒なら算定しなければいいじゃない」と言いますが、それでは倒産してしまいます。
今までも診察室では、現状の確認、方針の説明は当然しています。でも、それを書面化し、サインをもらわないといけなくなったことで、大切な診療時間が奪われています。
診療の本質からは大きくズレ、イジメでしかありません(大切な診療時間が奪われており、イジメというより危険です!)。
そして、これだけ皆んなで、死に物狂いで働いて、利益は出ていません。
病院は儲けているだろうと思っているかもしれませんが、今は、左団扇で儲かるということはありません。
厚労省は、常に楽して儲かるところに目を光らせています。定期的な診療報酬の改定ごとに、目を摘んでいきます。まさに「剪定屋」です。
楽して儲かるようにしろという気はありません。でも、今のようでは、誰も開業しようと思わないでしょう。
現に、新規開業は少なく、診療所がどんどんなくなっています。
私にも息子がいますが、彼も継承したいとは思わないでしょうし、私も継いでくれとは言えません。
ずいぶんと愚痴が長くなりました。
色々考え、対策し、持続できる形を考えないといけないと真剣に考えています。
今年はこんな状態で、よかったこと、楽しかったことなどを振り返る余裕がないのが正直なところです。
とは言え、なんとか年末年始を迎えることができたのは、ご来院下さった皆様、当院に関わって下さった皆様、そして当院のスタッフ、そして家族のお陰です。
一年間、本当にお世話になりました。来年もどうぞよろしくお願い致します。