2013.10.27
肺炎予防ワクチン
西田敏行さんのCMで急に認知が高まっているようですね。
『肺炎予防』で検索すれば、ホームページがあります。
これは「肺炎球菌」という市中肺炎(入院ではなく、家で普通に暮らしている人がなる肺炎のこと)の原因として最も多いと言われる細菌に対する予防ワクチンです。
これからの季節はインフルエンザ予防ワクチンも打つことで、より予防効果が高まります。
なぜかというと、一般的に「かぜ(風邪)」はウイルス感染です。そのウイルスによって傷ついた気管支に細菌が感染して肺炎を発症するからです(こういうのを二次感染といいます。一次はウイルス感染になります)。
私も昨シーズンは、特にご高齢者でインフルエンザに感染して、その後に肺炎を発症した方を何人も(そんなめちゃくちゃ多くないけど)診ました。
やっぱり、ご高齢者、基礎疾患を持っておられ抵抗力が弱っているような方に多い印象でした。
実際の臨床では肺炎ワクチンの予防効果を実感しにくいのですが、2010年に発表された丸山貴也先生の研究では、複数の高齢者施設に入所中の方1006人(平均年齢84.7歳)で、肺炎ワクチンを打った方と生理食塩水を打った方(こういうのをプラセボと言います)を比較すると、3年間で、肺炎球菌による肺炎が63.8%、肺炎球菌以外の肺炎も含む全肺炎でも44.8%、肺炎の発症が抑制されていたそうです。
肺炎ワクチンの予防効果は5年間と言われています。
当院でも予防接種行っております。
当院では、現在接種中のインフルエンザワクチンの予約は不要ですが、肺炎ワクチンは予約が必要です(予約頂いて発注するため)。
ですから今の季節ですと、インフルエンザのワクチンの接種に来て頂いたときにでも、予約を頂いて、入荷したら接種というのが適当かもしれません。
65歳以上で、基礎疾患があったり、体力が低下していたり、肺炎の既往があるような方は打っておかれるといいかと思います。